恋愛に関する雑記

 その人と初めてするキスは、今まで何人と唇を重ねていようとドキドキする。この瞬間の私はきっと、恋をしている。それまでは相手にたいした興味を持っていなくても、キスをした瞬間から、あるいは唇を重ねている時間だけは、相手を好きになっている。
 

恋愛の相談ほど無駄なものってないと思う。人間は気まぐれだし、恋愛なんてケースバイケースだから、正攻法なんてきっと存在しなくて、当事者ではない人にアドバイスを求めるなんて無意味。しかも、みんな答えは自分の中にあって、それを肯定してほしいだけ。

まあ、こんなことは多くの人も同じことを思っているのだろうけど、それでも他者に愚痴をこぼし、意見を求める。偉そうなことを抜かしてる私自身も無意識のうちにやってしまっていることがあって、やはり相手のアドバイスを実践することはない。だからと言って自分の中に答えがあるわけでもなく、改善策など見えないまま。
 
恋は人を臆病にする。相手に嫌われないように、機嫌を損ねないように、当たり障りのない言葉を選ぶ。だから本当に言いたいこと、言うべきことは飲み飲んでしまう。けれど、言う必要のないことばかりがボロボロと口をついて出てくる。嫌われることが怖い。自分が悪いと思っていなくても、すぐに謝ってしまう癖がある。直さなければならないと思ってはいても、上辺だけの謝罪をやめたらどうなってしまうのだろう、と考えることすら恐ろしい。恋の前に臆病になってしまった私の言いたいことに比例して、言えないことが増えていく。
 
趣味や彼女の有無はおろか下の名前も年齢も知らないし、会っても挨拶くらいしかしないけれどかっこいいなと感じる男性がいる。最近そのことを共通の知り合いの女性になんとなく話してみたら、彼女は本人に伝えてしまったらしい。次にその男性に会った時、少しだけ自己紹介をされた。ただそれだけのことだし、彼とこの先どうこうなるわけでもないけれど、恥ずかしくて気まずくてソワソワした。こういう日々が少し楽しくなるようなドキドキする刺激をずっと感じていたい。