都会の香り

関東に一週間ほど滞在し、今日やっと地元である愛知に帰ってきた。自分の家のお風呂ってこんなに落ち着く場所だったっけ。

私が田舎の芋女だからだと思うけれど、東京では電車を降りてから約30分の間に10人近い人に声を掛けられた。チラシの押し付け、アンケート、あるいはただのナンパ、目的が分からないスーツの男。
 
友達との待ち合わせに選んだ新宿駅の東口。特に意識した訳では無いけれど、ここを出たら歌舞伎町の女王になれるような気がした。初めて来るのに、私の庭だと思い込んでみたり。当然迷ったわけだけど。久しぶりに会った友達は、地元にいた頃よりもアイラインが跳ね上がっているように見えた。
 
東京は沢山の物と人が溢れすぎていて、隣を歩く人の匂いも声もよく分からない。これだから人混みは嫌いだ。
 
私の住む愛知の夏は気温も湿度も高くて、一言で表せば「最悪」だ。本当に不愉快だったはずなのに、都会の喧騒の中ではそこに戻りたくなってしまった。
 
何もかもが原色で、眩しく光っていて、耳鳴りがするほどうるさい東京の町。脳裏には、艶やかで深い青色と、私の隣で生温い風に揺れる重たそうなピアスだけが焼き付いている。
 
都会は大っ嫌い。また来るけどね。
 
 
初めて行った電子タバコの専門店は、とても甘い匂いで満ちていて、都会で1番素敵な香りのする場所だな、と思った。