夜の溶け残り

また 短針が右に傾いてしまった 夜更かしをしたってひとつも良いことなんてないのに 眠たくないわけじゃないのに 特にすることもないのに 布団ではなく冷たい床に転がっている

足先を見ると ネイルが削れてしまっている 私の足の爪はいつでも紅い 黒いレースの靴下から透ける紅い爪が好きでそうしている

心が元気なときは お風呂から出てすぐに肌や髪の手入れができるのに そうじゃないときは それまでの努力を全て無に帰すかのように 乾いた空気に身を晒してしまう

身体ごと干からびてそのまま砂になってしまえたら良い

人の顔を見つめる癖があるけれど 寝るときだけは私の後ろにいて欲しいと思う 背中が暖かいとよく眠れる気がする 気温の問題ではなく

でもこの部屋には私しかいないので今夜も眠れない

 

白粉

2019年はそれなりに多くの別れと出会いがあったし、肉体的にも精神的にも忙しかったように思う。

春に大学を卒業して 地元の会社に就職して働き始めた。はじめは 大学の頃のように休日にまで課題や試験のことを考えなくても良いのは気楽だなと思っていたけれど、そのうち休日でも社用携帯は鳴ることや 休み明けの仕事のことを嫌でも考えるようになるってことを知った。

 

 

http://moiraxox.hatenablog.com/entry/2015/08/12/223132

ブログを始めた18歳の頃 こんなことを書いてた。

18歳は少女や乙女を自称してもギリギリ許されたとしても、今となってはちょっと痛々しい。23歳ってもっと年上の人たちからすればまだまだ小娘に過ぎないけど 一応は大人として扱われるわけで、そうなるともう好きなものばかりを選んで居心地の良い場所を自分で作っている余裕なんてないのね。私はまだレポートの文字数やバイトのシフトの話をして、新作のコスメやハンドメイドのアクセサリーを追いかけて、平日に美術館に行ったり お酒を飲んだりする約束をしたいのに。

 

深い赤色の口紅やピンヒールが少しずつ似合うようになってきたり、自分を取り巻く環境が変わったりしても 私が願うことは同じなのに以前より叶いにくくなってしまったかもしれない。これから私はどんどん醜くなる。

そういえば SNSのプロフィールに「ガール」って書いてるんだけど ガールですらないね。レディーかどうかも怪しいなあ。

 

「美と女らしさは年齢と関係がないものだし、作ろうとして作れるものではないと思うの。そして、魅力は、こんなことを言うと、その専門の人たちは困るでしょうけれど、人為的に作りだせるようなものではないと思うの。」

マリリン・モンロー

文学的な身体ーーー16時の嘆息

 持っている言葉が少ないと それに対応して伝えられる事柄も減る 感じることや思うことが少なくても同じ 語彙や感性が貧しいっていうのは本当に不幸

 

持病というには少し大袈裟だけど私は閃輝暗点という偏頭痛の一種を患っている 頭痛がくる前兆として視界にギザギザした光が現れる その後の激しい頭痛を回避する術はないので光が見えた瞬間に絶望する   芥川龍之介閃輝暗点に悩んでいたらしくて 遺作の『歯車』にもその様子が書かれている 自殺の原因であるという推測もあるくらいだ 偉大な文豪と同じ悩みを抱えているということで少しだけ閃輝暗点に対する恨みが減る気がする でも確かにあの光を見た後の頭痛の最中では「殺してくれ」と思う 初めて閃輝暗点の発作が出た時に私は「なんか視界がチカチカしてる」と思ったのに 芥川は「たえず回転する半透明の歯車」と表現している こんなところにまで感性の差が出るんだなと悲しくなった

 

 夕方の感傷にも似た何かを表す言葉を私は知らない 文学部出身の性なのかどうにか言葉で説明しようとしてしまうけれど 何でも既存の表現に当てはめる必要ってもしかしたら無いのかもしれない  

 

そうそう お金で買えないものがあること 最近知ったんだよ

 

鋭い西日に目を細めた直後

太陽の残像が 閃輝暗点に似ていて背筋が寒くなった

 

 

 

 

退廃的な心ーーー25時の嗚咽

  気まぐれでやってみたネットにある鬱病チェッカーに中度〜重度の鬱病とか診断されたりした 私が鬱?そんなわけないじゃん こうして嫌々ながらも毎日仕事に行ってるし ちょっと辛くなることくらい誰にでもあるでしょ 中学の頃  友達の付き添いで保健室に行った時に自分も何となく体温を測ってみたら38度を超えていて自宅に強制送還されたことを思い出した 結局インフルエンザにかかっていたことが分かり 病院に到着した瞬間から体調が悪くなって数日寝込む羽目になった

私は精神病は甘えだと思ってるタイプの人間だったんだけどな 「頭痛持ち」という人種に対してもそう思ってた いざ自分が偏頭痛に悩まされるようになるまでは  ネットの診断結果に「君は鬱病だから早く病院に行って」 と言われてちょっと不安になっちゃった 私は絶対に病院なんか行かないよ ほら 明日も人と会う予定があるし

 

 

最近の私がいつにも増してメソメソしているのは別に恋人とお別れしたことが原因じゃない むしろ少しもショックを受けていない自分に嫌気がさす

 

頭は悪いし 性格も要領も悪いし 体調も悪い

私のことを「男をダメにする女」と称した男性たちは みんな最初からダメな人だったし 「いい女」だと言ってくれた人たちのせいで私はダメになった 私のせいでダメになったって言ってくる人たちに対して私は責任を持って一緒にダメになってあげたのに いい女だったはずの私をダメにした人たちは私を放置してどこか行っちゃうんだよ 酷い話だよね 私は1人でずっとダメなまま 

 


煙草の香り  朝の光  頬に落ちる睫毛の影 貴方はこちらを向いているけどその瞳には何も映っていない

深夜 息苦しくなるのは きっと心が不健康だから

 

 

 

 

邯鄲の夢

 私は別に物書きでも何でもないから誰かの目を意識して言葉を紡ぐ必要はないのに、この文章は私の端末から飛び出して全世界で閲覧可能なわけで、そう思うとどうしても出来事や思考を無駄に飾り立てようとしてしまう。誰も見ていないに等しいけれど。

 

 伝えたいことがあるはずなのに自分ですらそれが何なのか分からなくて、作文の宿題でいかに文字数を稼ぐかを考えていた頃を思い出す。書きたいものが分からない癖に「書かなきゃ!」っていう謎の衝動だけがあって、深夜も1時を過ぎているのにまだ布団に入れないような気になる。

 

 どう足掻いても私に関心を持ってくれない人がいた。その人に強烈で鮮明な印象に残したくて、そうすることで呪いたくて、目の前で首を掻き切ろうとか通話しながら飛び降りようとか考えていたことがある。恐怖でも怒りでも何でも良いから気持ちを揺さぶりたくて、そのためには死ぬしかないと思った。こんなことを考えておきながら、私はのうのうと生きている。死ぬのは怖い。死ぬことでしか人の視界に入れないのも、気を引く方法をそれしか思い付かないのも無様で惨めで滑稽だ。もしかすると、私が死んでもちょっと眼球を動かすだけで身体をこちらに向けることすらしないかもしれない。そうなってくるとより一層間抜けだ。

 

 私は自分の容姿に執着しすぎている。整形したいなと思う。でもその前にまだ自力で改善できるところがあるはず、と肌や髪のケアに躍起になっている。お金も時間もたくさん消費している。できれば気にしないで過ごしたい。でも気になってしまったら何もしないでいることなんかできない。ほんの僅かでも綺麗になろうと足掻くことを私はきっと一生やめられないだろうな。化け物みたいなお婆さんになるかも。いっそのこと取り返しが付かなくなるくらい私の顔が壊れてしまえば良いのにと思ったりもする。熱した油で洗顔でもしてみようか。外見ばかり気にして化粧品を塗り込む私はとても醜い。

 

 「愛されたい」「幸せになりたい」っていう言葉が嫌いだったはずなのに、最近そればかり考えてしまう。私にとっての幸せは家庭を築くことでも仕事で成功することでもないし、そもそも幸せを望むつもりはなかった。ふとした時にそう思うということはきっと本心なんだろうな。幸せって?

 

「頭のいい女の子は、キスはするけど愛さない。耳を傾けるけど信じない。そして捨てられる前に捨てる。」

マリリン・モンロー

マグノリア

 この連休中、久しぶりに家でのんびりすることができた。誰かの書いた文章を読んで、誰かが奏でた音楽を聴いて、誰かが撮った映像を見ていたら、いつだったか「他人が作ったものなんかに共感してないで自分で考えて自分で作れ」みたいなことを言われたのを思い出した。それを言われた時も思い出した今も、とても悔しさを感じたからこうしてキーボードを叩いている。

 

 ネットや漫画に冒された中学生みたいな発言で少し恥ずかしいんだけど、自分は本当に心が冷え切った人間なんじゃないかと思うことがよくある。表面上はそうでないように見せることはできているはずだから他者から指摘されたことはないし、特に困っているわけでもない。だから悩みというほどのことでもないけれど、あまり良いことではなさそう。自分と無関係な人の死に心を動かされることなんてないし、嘘をつくことにも、人を消費することにも罪悪感はない。自分が楽しければ。嘘がバレなければ。これは冷たいというより人格に問題があるとかそういうやつなのかな。変人なのではなく変わった人だと思われたいだけの凡人、大衆の1人っていう自己分析をしているけどどうだろうね。

悩みではなくてもこういう自分は気持ち悪いから嫌い。高潔な心を持ちたい。

 

 少し前、酔っ払いに急に顔を両手で包み込まれて「綺麗な顔してるねえ。キスしても良い?」と言われびっくりして固まっていたところを、別の人に助けられるということがあった。その直後、恐怖からではない心臓の高鳴りを感じた。真っ直ぐに目を覗き込まれて動けなくなってしまった。知らない男が酒に酔って放った薄くて軽い言葉に、ほんの僅かでも満たされてしまうほど私の自尊心は渇き切っていた。

 

  別に全く嫌いじゃないけど、その人のことで悩むのが面倒だからいっそ死んでくれないかなと思うことが昔から多々ある。さっきの話とは関係ない。何で私が死にたくならないといけないんだろう。お前が死ねよバーカ!

 

心が荒んだ時は花。部屋に花を飾ろう。大好きな凌霄花を部屋に飾る方法はあるかな。凌霄花が咲くまでは庭の木蓮

紅茶の飲み方とか

 金木犀の香りが好きな人は多いと思う。私も大好きで、どうしても本物そっくりの金木犀の香りの香水が欲しくて探し回った。やっと見つけたそれが私の香りだと思われたくて毎日つけている。9月末の台風の時、雨戸を閉めようと思って窓を開けたら庭の金木犀の香りが暴風とともに部屋に充満した。やっぱり本物には敵わなかった。しかもこの香水は香りが飛ぶのが早い。とても儚い。花と違うのはすぐに付け直せるところ。

 

 最近、家に牛乳を温めながらふわふわの泡を立てる機械が届いた。コーヒーメーカーのおまけらしい。簡単にスターバックスみたいなティーラテが飲めるようになった。そこに蜂蜜を垂らしたりシナモンを振ったり。ロイヤルミルクティにミルクの泡を浮かべたくなって、成城石井にFAUCHONの紅茶を買いに行った。その後、弟が八天堂のクリームパンを買ってきてくれたので、紅茶を淹れてふわふわのホットミルクを作ってお茶をした。だいぶ前に買ったスムージーを作る機械は買って1週間くらいの間は家族みんなにチヤホヤされていたけど、少しずつ使われなくなって、今はキッチンの隅で眠っている。次のお休みの日に引っ張り出してみようかな。今回の機械もせめて冬の間はちゃんと活用したい。ちなみに私はコーヒーが苦手なのでおまけじゃない方の機械は使ってない。これは私以外の家族がちゃんと使うと思う。 おまけの機械で私の休日は少し豊かになった。

 

 突然だけど私はセルフネイル派で、デザインを考えるのは楽しいので1週間に一回くらい塗り直している。私はどんなことでもすぐに他人の視線を気にしてしまうんだけれど、ネイルは唯一の自分のためだけのお洒落。先日、彼氏に「男の人ってネイルに興味ないひとが多いらしいね」と言ったら「爪をお洒落な色に塗っているよりも、素爪が綺麗な方が良い」と言っていた。ネイルを繰り返し、バイトでずっと服を触っていたので、乾燥して二枚爪が多い私の素爪は決して綺麗とは言えない。自己満足とは言え少し悲しく思っていたら「でも、可愛くしようと時間とお金をかけて努力してる姿は良いなと思う」と言われて、私の恋人は自己満足のお洒落に対する努力を無駄だと言う人じゃなくて良かったなと思った。

 

 

 

 数日前に誕生日を迎えてひとつ年を重ねた。ランドセルを背負っていた頃から10年くらい経つけれど、何も変わっていない気がする。10年前と思考回路は同じなのに、数か月前に書いた文章が稚拙すぎて恥ずかしくなってしまうのは何故だろうね。

どの人がくれたプレゼントも私の好きなものばかりだったんだけど、何を貰っても自分のことを考えて選んでくれたってことが嬉しいよね。みんなが選んでくれた可愛い服や素敵な花束、お洒落なピアスに似合う人にならないと。

 

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